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にっぽん漁港紀行
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第4話 関東 神奈川県三浦半島篇(2)
網ですくい取る相模湾の幸。
■久留和漁港(神奈川県横須賀市)
明石産に匹敵するマダコの味。
※画像をクリックすると拡大画像とキャプションがご覧になれます。
長者ヶ崎から、さらに三浦半島を南下する。長者ヶ崎をすぎたあたりは「大崩れ」とよばれ、昔から地滑り地帯として知られる。崩れた道路の修復工事が、今もまだ続いている。そのせいか一帯の海では、昔から大小の丸い石を多く産出。次の集落「子産石(こうみいし)」の、地名となった。
子産石の隣りの小さな漁港は「久留和漁港」。国道134号から信号を少し下るだけで美しい砂浜に出る。久留和漁港も富士を目の前に臨む景勝の地だが、タコ漁でも有名。毎年7月25日には、タコ供養祭なるものも執り行なわれる。
近年、“明石のタコ”と並んで有名になった“佐島のタコ”とは、ここ久留和のマダコが佐島漁港に水揚げされたもの。活け(生きている状態)で2kgほどのサイズを極上とし、それをプロが茹で揚げると1.5kgほどになる。しっかりとした歯触りと、噛むほどに増す甘味が身上だ。
R134をさらに500mほど進むと、ここまた景勝の地として有名な「立石(たていし)」である。なんでも明治天皇が、富士を眺めながら茶をいただいたとか。
休日ともなれば市営駐車場の空きを待つクルマが国道にまで列をなすが、シーズンオフの平日は空いていながらにして無料。
明治天皇のエピソードにちなんだのか、駄菓子屋のような「富士見亭」で茶をいただくもよし。冬場ならば、名物(?)おでんが湯気を立てているかも。
R134をさらに500mほど進むと、ここまた景勝の地として有名な「立石(たていし)」である。なんでも明治天皇が、富士を眺めながら茶をいただいたとか。
休日ともなれば市営駐車場の空きを待つクルマが国道にまで列をなすが、シーズンオフの平日は空いていながらにして無料。
明治天皇のエピソードにちなんだのか、駄菓子屋のような「富士見亭」で茶をいただくもよし。冬場ならば、名物(?)おでんが湯気を立てているかも。
「富士見亭」:横須賀市秋谷3丁目5-7 Tel:046-856-8412
■秋谷漁港(神奈川県横須賀市)
堤防釣りの狙いはカサゴにメバル。
そのまた隣りの「秋谷漁港」へは、国道の「秋谷漁港入り口」の信号をだらだらと川沿いに下る。最近まで日帰りの「大楠温泉」があってドライバーも一息つけたのだが、閉鎖してしまったのは淋しいかぎり。
海に突き当たって右手の砂浜が海水浴場、左手奥が漁港となる。柵があっても車のまま進んでかまわない。奥に市営の大駐車場があって名物オバチャンの「花ちゃん」が笑顔で出迎えてくれる。
長い堤防の突端では、常に釣り人が糸を垂れている。夏のアオリイカはお刺し身で、秋口から釣れるカサゴやメバルは煮付けがお薦めだ。
秋谷から国道を1kmほど南に走り、坂を登り切ったところに「大楠小学校入り口」の信号がある。右手角にはレトロなパン屋さん「高六(たかろく)」。
有名な葉山の牛肉店、旭屋の葉山コロッケのパンはここで作っている。ふんわりと柔らかい給食パンの味なのだが、何ということもない甘めのコロッケと妙にマッチするのだなぁ。
地元人はメロンパンを、我先にと買い求めていた。
「高六商店」:横須賀市芦名2-28-1 Tel:046-856-3178
「旭屋牛肉店」:三浦郡葉山町堀内898 Tel:046−875−0024
■芦名漁港(神奈川県横須賀市)
絶品!番屋小屋でご馳走になったイワシの手開き。
「大楠小学校入り口」の信号を右折すると、だらだらとした坂道は小学校横を過ぎて海にぶつかる。
右手の「芦名漁港」は小さくても歴史は古く、漁港を見下ろす小高い山には海の安全と子宝を祈願した淡島神社がある。そもそも女の神社であり、男子禁制だった。
ご神体は想像通りの大きな男根で、うら若き女性たちがその頭をなでつつ祈るのである。毎年3月3日は盛大な祭りとなり、今や男だってその列に並ぶ。誰もいない境内に立ち寄り、社の隙間からのぞいて見るのも、旅人ならば許される。
芦名漁港の片隅に、大正時代から建つ漁師小屋がある。通称を番屋小屋、沖にやって来る魚の群(なぶら)を見張る小屋だ。今では大型定置網(大謀網)で働く漁師たちの食堂兼仕事部屋となっているが、賄いのオバチャンが気さくで楽しい。 「アンタ、ご飯を食べていきなさい。ここにいる漁師さんが捕ったのよぉ、おイヤ? 」
いただきます…で傾いたテーブルにつけば、イワシの手開きが暖かいご飯にねっとりと絡まって旨い!のだった。
海の男衆に混じって力強い朝飯をご馳走になっていると、漁労長の鈴木正巳さんが定置網を揚げる船に乗せてやろうかと誘ってくれた。
明朝の大謀網かぁ・・乗りたいなぁ。で、明朝の旅はクルマを船に乗り換えての「番外編」。
「淡島神社」:Tel.046-856-0707
■佐島漁港(神奈川県横須賀市)
定置網漁の母船に乗せてもらう。
夜空が紺碧色へと変わり始める朝は5時頃、ここは芦名漁港から1kmほど南の佐島漁港。カモメの白い翼が、明けきらぬ空に舞っている。定置網を揚げに行く母船の「神越丸」は、エンジンをアイドリングさせて出航を待つ。やがて昨日番屋小屋で一緒になった男衆10人ほどが暗闇から現れ、船に乗り込む。ほどなく船は沖へと滑り出していった。
20分ほど波に揺られながら行ったそこは、別世界だった。無数の浮標が海をおおい、台船と呼ばれる小舟が走る。揚網機のエンジン音が唸る、カモメが乱舞する、トンビが隙を突いて急降下する。網が絞られると、無数の何かがうごめいている。銀紫色の剣が走って、タチウオだ! 鮮やかなピンクに紫の星がキラキラと輝いて、マダイだ! サメが揚がる、ウミガメまでが甲板に転がる。物静かな漁師たちが叫ぶ、ウォー! ゥアー!
思わず叫んでしまう旨さ、イカのエントツ焼き!
「うめぇモン、食わしてやるよぉ」
一段落したところで、若い漁師が悪戯っぽく笑う。甲板を逃げ回るスルメイカを、錆びた包丁で裂いた。足はまだ動いている…それを焼けた船の煙突に張り付けてしまった! イカは熱いっ!と言わんばかりにのけぞって、ちりちりと縮んでいく。剥がしてみると身には煙突の錆が付いていて、何ともワイルドなイカの煙突焼き。 「食えよぉ」
熱々を切り裂いて、エイヤッと頬張る。生きているイカ焼きは、味の厚みも甘味も倍増させて、旨ぁ〜ぃ!! 叫ばずにいられない。大海原のど真ん中、富士山も満足そうに笑っているぜぃ。
3時間ほどの網揚げ作業が終わると、佐島に帰港。漁師たちはクレーンで魚を水揚げしたら、選別台で魚の仕分け。また昨日と同じように、力強い朝食が待っていた。
タコ、タチウオ、シラス…、お土産には困らない。
佐島漁港の入り口には「マル吉」「福水産」といった鮮魚店があり、地の魚を誰でも買える。
揚がったばかりの中型のタチウオは、1kg当たり1500円。牙をむいた顔が恐ろしげだ。
食いたければマル吉直営の食事処「海辺」がいい。海鮮丼も昼定食ならば、980円でタチウオだって入っているかも。
右手に佐島漁港を見ながら車を走らせると、「佐島入口」という信号で再び国道134号に出る。その手前の大きなカーブの辺りに「山茂水産」はある。天然塩と天日干しにこだわる、知る人ぞ知るシラスの有名店だ。
海際の白い工場の裏手が干し場になっているので、車を停めて覗いて見るといい。一面に釜揚げのシラスが干されているだろう。売店に戻れば、シラス干しも釜揚げシラスも500円と1000円パックがある。天然塩の、微妙な甘さが山茂丸シラスの身上である。
「マル吉」:横須賀市佐島 Tel.046-857-2727
「福水産」:横須賀市佐島 Tel.046-857-2353
食事処「海辺」:横須賀市佐島 Tel.046-857-4353
「山茂丸」:横須賀市佐島 Tel.046-857-6700
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