カーAV評論家・会田肇氏が最新のカーナビをムービーで徹底解説。
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    第8話 関東 神奈川県 横浜〜川崎〜羽田篇
    京浜工業地帯の只中に見つけた、海の味と漁業の風景。

■横浜・本牧「波止場食堂」のカツ丼は肉厚山盛りにして五百円。
※画像をクリックすると拡大画像とキャプションがご覧になれます。

map  シャコの金沢漁港を後にして、産業道路(国道357号線)を北へ走る。沖合いには八景島シーパラダイス。海を埋め立てた新興地の中を30分ほど走ったあたりが磯子。右手は根岸湾だが、石川島播磨重工業、東京ガス、新日本石油などの工場に遮られて見ることはできない。もっとも、見てもそう面白いものではないが。

 やがて国道は首都高速湾岸線の下を走りながら横浜港に達する。首都高速の「本牧ふ頭」ランプが見えたら、目的地はもう近い。「A・B突堤」の標識に進めば大黒埠頭方面、そこを逆方向の「C・D突堤」に向かうと、著者お薦めの「波止場食堂」が左手に見えてくる。

 1Fは「ポートストア本牧」なるコンビニで、2Fが波止場食堂だ。どちらも横浜港湾福利厚生協会が運営する港湾労働者のための施設だが、誰でも利用できてすこぶる安い。メニューはどれも市価の3割安で、ボリュームたっぷりだ。そば・うどんは200円、朝定食は350円から、日替定食は500円/550円、さかな定食が560円、カレーライスは400円。カツ丼だって、肉厚が山盛りで500円だぜぃ!

 波止場食堂はC突堤とD突堤の付け根のあたりにあるのだが、D突堤側の突き当たりには「横浜・本牧海づり施設」がある。どんなものかと覗きに行けば、立派な受付があり、入場料大人900円也とある。
 受付棟から一歩外へ出て驚いた。当たり前だが、そこには海が広がっていて、数百人の家族連れが釣り糸を垂れている。ピクニックさながらに弁当を食べたりビールを飲んだりしているそばで、バカ釣れのカタクチイワシに子供たちも大はしゃぎ。意外や、ここはけっこうおもしろそうである。
 館内には売店のほかに名前のない「そば屋」があって、かけソバを350円で食う。さっぱりとした醤油味で、特筆するほどのことはないが、本牧埠頭の突端でほのぼのと食えた。

navi 「波止場食堂」:横浜市中区本牧ふ頭1 本牧厚生センター2F Tel.045(625)2626
朝食(日〜土)7時〜9時 ランチ(月〜金)11時〜13時半 (土曜)11時〜13時
定休日:日祭日

navi 「本牧海づり施設」:横浜市中区本牧ふ頭1番地 Tel.045(623)9387
利用料:大人900円、中学生450円、小学生300円
利用時間:4月〜10月=午前6時〜午後6時半、11月〜3月=午前7時〜午後4時半
駐車場:230台収容(3H以内250円、5H以内350円、5H以上500円)
定休日:奇数月の第2火曜日


■300mの道沿いに生鮮魚介類関連の店ばかり80軒!
 横須賀から北上してきた国道16号線は、横浜で国道15号線に変わる。通称「第一京浜」だ。
 横浜の中心街を抜け、第一京浜を北上すると、地名は小安から生麦、鶴見へと変わっていく。「南仲通入口」の信号を過ぎて500mも走らないうちに、第一京浜はJR鶴見線のガードと交差する。そこを右に入ったすぐのところに鶴見線の「国道駅」がある。本当にすぐなので、第一京浜沿いに幾つかあるパーキングにクルマを入れてあとは歩いて行こう。
 「国道駅」から第一京浜の1本裏の通りを横浜方面に戻る300mほどの通りが、「生麦魚河岸通り」だ。

 そこは、道路が魚貝類の卸売市場と化している。早朝から魚屋や料理屋の板前さんたちで賑わい、道路まで広がった店先ではアナゴを割いたりバカガイの殻を剥いたりと、公道とは云え、よそ者が乗用車で侵入するのははばかれる。早朝から暖簾を下げているラーメン屋や寿司屋の奥では、仕入れを終えた旦那たちがビールを飲んでいたりする。
 プロの仕入れの時間帯である9時を過ぎれば、一般客も買い物ができる。割いたばかりのアナゴや殻付きのバカガイ(アオヤギ)などを土産にするといい。スーパーもんとは、ひと味もふた味も違うはずだ。

  ほどなく川崎市へ入ると、海岸線はどこへやら。せっかくだからと川崎大師に参拝すれば、さっそくご利益があったのか、参道沿いにうめぇモンが食えそうな老舗を見つけた。寛文6年(1666年)創業の日本料理店「恵の本(えのもと)」だ。

 熱く「江戸前」のうんちくを熱く語る女将に薦められるままに、「江戸前寿司」と「蛤鍋(はまなべ)」を食う。
 腹が減っていたせではない、にぎり寿司は古風にして文句なし。ちょいと贅沢な「はまなべ」は、川崎大師に参拝したら蛤鍋を食べるのが、江戸の頃からの「粋」とされていたという。

 ついでに展望台で有名な東扇島の「川崎マリエン」に立ち寄り、海苔作り博物館を見学。展望台から東京湾を見渡していると、係員が多摩川の河口で伝統的な「ボサエビ漁」をする漁師が健在だと教えてくれた。
 下界を見やれば多摩川はすぐ足元、行かねばなるまい。

navi 「生麦魚河岸通り」:横浜市鶴見区生麦5丁目(旧東海道沿い)

navi 「恵の本」:川崎市川崎区大師本町9-2 Tel.044(288)2294
営業時間:午前10時〜午後10時 定休日:木曜日

navi 「川崎マリエン」:川崎市川崎区東扇島38-1 Tel.044(266)1544


■飛び交うジェット機の下でする「ボサエビ漁」
 多摩川は神奈川県と東京都の境であり、河口付近の神奈川側が川崎大師、東京側が羽田空港となる。
 ボサエビ漁をしているのは、東京都大田区漁業協同組合の「羽田漁港」。組合長理事の伊東俊次さんは、地元漁師の3代目。なんとも長閑なボサエビ漁を、体験させていただいた。

 ボサとは木の枝などを束ねた漁具のことであり、これを川底に沈めておき、頃合いをみて引き上げては、玉網の中に落ちる藻エビを拾い集める。小さな藻エビはいくらも獲れないのだが、何十個の仕掛けを振るとそれでも1kgほどになる。相場は1kgで2500円。大人2人が声を上げて笑っているのが楽しくて、つられて笑ってしまう。

 このボサエビを食べさせてくれるのは、近所の「食通 ゆたか」だ。伊東さんらが揚げたボサエビは、すべてこの店に直販する。店主は村石保さんで、アナゴやハゼよりも、ボサエビこそ羽田沖の名物と力説する。
 小さな飴色に透き通ったボサエビが、ぴちぴちと跳ねている。かき揚げは、大きな皿にデンと出てきて890円。塩をかるく振って、サクッといただく。1匹は小さくても肉がしっかり詰まっていて、一口ずつが思わず微笑んでしまうほど甘くて香ばしい。ビールで流すのが惜しいほど、余韻までが美味しいのである。

 ハゼの骨酒までいただいてしまったからには、今宵は付近に宿を取るしかない。さぁ腰をすえて、飲み直すとするか。

navi 「食通 ゆたか」:東京都大田区羽田4-22-9 Tel.03(3741)2802
営業時間:昼=11時半〜14時 夜=17時〜22時
定休日:火曜日・第2水曜日

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