カーAV評論家・会田肇氏が最新のカーナビをムービーで徹底解説。
最新カーナビ徹底ガイド!カーナビLabo

2008.9.23公開

お気に入りの曲をクルマでも iPodの鳴らし方

いつでもどこでもクルマでもiPod!

 1979年に登場した初代ウォークマンは好きな場所で音楽を楽しむスタイルを創造したが、今やコンパクトなデジタルオーディオプレーヤー(以下DAP)の時代。その代名詞となっているのが米Apple社製のiPodだ。
その勢いは凄まじく、日本のDAP全体の約半数を占めるという。それでも世界的に見れば、日本はシェアが低い方なんだとか。ソニーをはじめとする他メーカーが健闘しているからなんだろうね。
 こうしたiPodの高い普及率は、カーオーディオメーカーに対しても影響を与えた。カーナビからカーオーディオまで、主力モデルの大半がiPodとの連携を謳うまでになっている。音楽だけでなく、ビデオもカーナビ側のタッチパネルでコントロールできるモデルも多い。自動車メーカーもiPodへの関心は高く、DOPナビなどを中心に対応モデルを用意。クルマの中でもiPod、という視聴スタイルは広範に普及しつつある。

iPodをクルマで楽しむ方法

ナビ専用iPodコントロールケーブルで聴く!

  iPodへデータを転送する際の出入り口となるのが、底面にある「Dockコネクタポート」だ(shuffleを除く)。このポートとパソコンをUSB接続すれば、iTunesの楽曲や映像ファイルをiPodへ転送できる。iPod本体の充電もここから。さらに、カーナビ専用のiPodコントロールケーブルをDockコネクタに挿せば、ナビのタッチパネルで選曲や再生などの操作ができるのだ。
 iPodはグローブボックスの中に入れっぱなしでもOK。充電機能付きのケーブルもあるので、ドライブ中にiPodを長時間聴き続けて、クルマを降りた後も聴きたい・・・という場合も、バッテリー切れの心配はない。iPodコントロールケーブルはほとんどのナビでオプション設定(約5,000〜10,000円程度)だが、最もスマートかつ快適なのはこの方法だ。

Dockコネクタポートに接続ケーブルを挿すだけ。専用接続ケーブルではなく、iPod付属のUSBケーブルを利用するタイプも出てきた。

クラリオンNX808のiPod再生画面。選曲はタッチパネルでOK。


 
FM変換時のレンジ感の欠落を補正する
 AAC形式で保存した音楽データは容量が約1/10に圧縮されているため、とくに高音域に迫力が感じられなかったり、音の緻密さに欠けるといった症状が出てしまう。DockコネクタにiPodコントロールケーブルを挿してナビと接続する場合なら、選曲などの操作だけでなく、音質調整もカーナビ側で設定することもできるぞ。
  iPod側からは通常アナログの音声信号が送信される(※注1)が、ナビのオーディオ回路で再びデジタルに変換、失われた高音域を補完してくれる機能がある。2008年モデルのサイバーナビに採用されている「アドバンスド・サウンドレトリバー」や、Strada Fクラスの「超高精度デコーディング」などがそうだ。こうしたハイエンドモデルでなくても、イコライザー機能があれば、高音域を持ち上げるなど音質を自由に変えることができる。

注1:ホームAV機器にはiPodからデジタル信号を取り出せるシステムが登場しているが、車載用ではまだ登場していない。
サイバーナビAVIC-VH9000のグラフィックイコライザー。iPod用の設定をカスタム登録しておくと便利だ。

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iPodのヘッドホン端子で聴く!

 DockコネクタポートがないshuffleではiPodコントロールケーブルは使えないし、逆にちょっと古いナビだとiPodコントロールに対応していない場合もある。そんな時は、iPod側のヘッドホン端子とカーナビ側の外部入力端子をオーディオケーブルでつなげばいい。
  タッチパネルでiPodをコントロールすることはできないが、ボリューム調整や音質調整はナビ側の機能を使えるので、ノイズのない音を楽しむことができる。外部入力端子が前面に付いているナビなら、必要な長さのケーブル(ステレオミニプラグ)を用意するだけなので、最もお手軽な方法だ。ただ、この方法ではiPod再生中の充電はできない。
ポータブルオーディオをつなぐため、本体前面にAUX端子を設けるナビも増えてきた。



 
iTunesのプリセットイコライザを活用しよう
 iPodのヘッドホン端子とナビの外部入力端子をつないで再生する場合は、ボリュームの設定値に気をつけて欲しい。ヘッドホンで聞く時と同じ設定で不用意にiPodを接続すると、とんでもない音量が車内に鳴り響くことにもなりかねない。
 ナビに接続する際はiPod側のボリュームをゼロ状態にし、少しずつiPodのボリュームを上げていく。この場合の音質調整は、iPodのイコライザーで設定したものを活かしてもいいし、カーナビ側の音質調整を使うこともできる。
  また、iTunesには22種類のプリセットイコライザが用意されているが、iTunesで割り当てたプリセットイコライザは、iPodに音楽をコピーした際にも引き継がれ、その設定で再生される。PCで好みのプリセットを選んでからiPodへコピーするのが正解だ。
iTunesはジャンルに合わせて22種類のイコライザ設定を用意。この設定はiPodにも引き継がれる。


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FMトランスミッターで聴く!

 iPodコントロールケーブルは高いし、今のナビには外部入力端子もない・・・という場合でも、FMラジオがあるクルマなら大丈夫。iPodの音声信号をFM波に変換するFMトランスミッターを使えば、FMラジオでiPodの曲を楽しむことができるのだ。
  音声信号をヘッドホン端子から取るもの、Dockコネクタポートから取るもの、充電機能付きのもの、トランスミッター側で選曲ができるものなど、様々なタイプが販売されていて、価格も約2,000円〜10,000円超まである。お持ちのiPodに対応しているか? 欲しい機能は付いているか? よく確認して選んでいただきたい。
  ただし、FM波で音声信号を飛ばすため、FMラジオと同じくノイズが混じることがある。とくにアンテナが車体後部にあるクルマは、FMトランスミッターとの距離が遠いので受信状態が極端に落ちる傾向にある。ボリュームをあまり上げずにBGMとして聞くだけならいいが、音質重視派にはあまりお勧めできない。
電源はシガーライターソケットから。FMラジオをトランスミッター側で決めた周波数に合わせるだけと、お手軽。



 
FM変換時のレンジ感の欠落を補正する
 
  FMトランスミッターを使う場合は、ノイズが混じることは避けられない。受信アンテナがフロント周辺にない車両では、FMトランスミッター方式はやめておいた方が無難だ。 また、FM波に変換すると際にダイナミックレンジがどうしても落ちてしまう。そこで、最近は『SRS True Bass』と呼ばれる低域を豊かにする機能を備える製品も登場している。
  FMラジオでiPodを鳴らしてもノイズが入らない裏技もある。FMモジュレーターという装置をナビとアンテナの間に設置して、Dockコネクタやヘッドホン端子から出る音声信号をFM信号に変換、ナビのアンテナ端子へケーブルで送るのだ。電波で飛ばさずに直接アンテナへFM波として入力するので、ノイズはほとんど出なくなる。パネルやナビを取り外す必要があるので、クルマをいじり慣れていない人は整備工場などに取り付けを頼んだ方が無難だ。

注1:ホームAV機器にはiPodからデジタル信号を取り出せるシステムが登場しているが、車載用ではまだ登場していない。


FMモジュレーターの配線図。有線なのでFMトランスミッターのようなノイズは入らない。

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Bluetoothオーディオで聴く!

 まだ対応するカーナビが少ないのが難点だが、Bluetooth機能を使ってワイヤレスでiPodを鳴らす方法もある。iPodにはBluetooth機能は実装されていないので、Dockコネクタに別売のBluetoothアダプタを挿し込み、カーナビ側のBluetoothユニットとペアリングさせるのだ。
 AVソースメニューで「Bluetoothオーディオ」を選べば、ナビ側のタッチパネルで選曲・再生などの操作が可能になる。ただ、2008年8月現在、ナビ画面で曲のタイトルやアーティスト名などを表示するBluetoothアダプターは登場していない。技術的には可能なので、次世代に期待だ。 また、Bluetooth AVプロファイル対応の携帯電話に保存した曲も再生することができるし、もちろんハンズフリー通話も可能。2008年8月現在、この機能に標準で対応しているのは、パナソニックのStrada Fクラス、クラリオンのCRASVIA、トヨタ純正ナビや日産純正ナビの上位モデルなど。最先端を気取るならコレだ!
タッチパネルで操作できるのは、再生、一時停止など簡単な操作のみ。曲名、アーティスト名は表示しない。



   
 デジタル信号で交信するBluetoothオーディオの場合も、音質補正の方法は基本的にiPodアダプターを利用した場合と同じ。ただし、カーオーディオの常として、走行中は低域がかぶって聞こえにくくなったり、音像が不鮮明になることがある。とくにスピーカー位置が低いミニバンではその傾向が強い。そんなときに有効なのが、ケンウッド・HDV-790F4やStrada Fクラスなどに搭載されている「SRS CS Auto」。米SRS研究所が開発した立体音響技術だ。
 アナログによる補正機能なので、DVDだけでなく、様々な音源に使える。サブウーファーなしでも重低音再生が可能になるし、音像を耳に近いところまで持ち上げて聞きやすくすることもできる。また、5.1chのような広がりのあるサウンドで再生する機能もある。 また、「SRS CS Auto」を備えていない場合に効果的なのが、サウンドサイエンスの「サウンドシャキット」だ。元々は音の輪郭を鮮明にするエンハンサーだったが、今では入力した信号をデジタル処理してノイズ低減を図ったり、小音量時でもメリハリのあるサウンドにする機能まで備えている。スピーカー入力端子も備えており、プリ出力のない純正ナビにも対応できるのがいい。ただ、取り付けはやや難しいので、専門店にお願いするのが無難だ。
Strada Fクラスの音質調整画面。4スピーカーでも迫力のある音を楽しむことができる。

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